カテゴリ : 小説・文芸 ジャンル : ノンフィクション / ノンフィクション・ドキュメンタリー 出版社 : 講談社 掲載誌・レーベル : 講談社文庫 ページ数 : 416ページ 電子版発売日 : 2021年10月05日 コンテンツ形式 : EPUB サイズ(目安) : 1MB 「情報を制する国が勝つ」とはどういうことか――。世界中に衝撃を与え、セルビア非難に向かわせた「民族浄化」報道は、実はアメリカの凄腕PRマンの情報操作によるものだった。国際世論をつくり、誘導する情報戦の実態を圧倒的迫力で描き、講談社ノンフィクション賞・新潮ドキュメント賞をW受賞した傑作! (講談社文庫)
私は昔から民族紛争に興味があった。だから旧ユーゴで起きた悲劇も知っていた。偶然にも大学に入ってからセルビアに行く機会があって、偶然にも現地の大学生と交流する機会があったから、本当に軽い興味本位で、セルビア人女子大学生に、そのことについてどう考えるか聞いたことがあった。(彼女は教育専攻で、歴史教育の観点で面白い話を聞けそうだと思っていた。) 今でも覚えてる。美人で凛々しい彼女の顔が厳しくなり、血相まで変えながら、「全部、資料を読んだ?左から右まで全部。ボスニアの資料もセルビアの資料も、もちろんアルバニアのも。それら全部読んでから聞いてる?あなたがそんな軽い質問聞いたところでこの戦争はわからないと思う。」と言ってきた。 私は質問したこと自体を恥じ、深堀することを恐れてあまりその話題に触れないままここまできてしまったんだけど(だって全ての資料は読めないから!!)、やっとこの本を読み終えて、彼女がなんであんな強い口調で私に詰問したのかわかった気がした。「あなたもPR戦略に乗った歴史を学んでいるんでしょ?」彼女はそう言いたかったんだと思う。 私たちが見てる政治ってなんだろう。歴史は?戦争は?正義って何?人の感情を巧みに探り当て、ピンポイントで狙ってくるPRは大きな力を持つ。世界の“事実”は広告の力でできている...リアルにそう思えてくる。 だからこそ、私は情報に対するリスペクトとコストをかけたいと思う。 おそらく高木さんには、まだ載せてない情報があると思うんです。時効になったあたりでもう一度書いて欲しい。 とても良い本を読んだ。 おすすめします。 l
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